ホレンコの友 2020年7月号

                「愚か者の心は定まらない」 (箴言15:7)
  
           日本キリスト教会札幌桑園教会牧師 秋本英彦

先日、警察から電話がかかってきました。「へっ?、心当たりなどないのに」。出ましたら「教会前の道路で小学生の男の子が不審者に声をかけられたので目撃しませんでしたか?」という内容でした。その不審者の特徴を聞きましたら「身長175p、50代、黒い服を着ていた」そうです。「うそ!!?」、全部自分にあてはまります。突然、頭の中がパニックで真っ白になって、「自分は若年性認知症になったのだろうか?。いやでもそんなことしないしあり得ない」。答えられないでいると、その婦人警官はさらに電話で聞いてきます。「お宅の教会や幼稚園で平日出入りする男の方はどんな人がいますか?」、「はい、20代のジャニーズ系の先生と、英会話を教える外国の先生と、あと言いずらいですが私…実は当てはまりますが…」、相手はしばらく沈黙の後、「あなたやってませんよね?」と聞いてきました。さすがです。TV「警察24時」みたく一度疑問や弱みを見つけるととことん追求してきます。「勿論、やってません。」と答えました。(※本当は「牧師に向かってよく言えますね?」と反撃したかったのですが止めました)。
 でもまだ許してくれません。「では、事件のあった先週何日の午後あなたはどこにいましたか?」、「牧師室にずっといました」。「それを証明できる人いますか?」、「……」。生まれて初めてアリバイを聞かれました。惜しいことに前後日の同時間だったら聖書研究会をしていたり、整骨院に行っていたので完璧なアリバイがあったのです。結局、「いずれ教会をお訪ねするかもしれません」と言われて電話は終わりましたが、頭の中のぐるぐるは収まりません。
 礼拝堂でも祈りましたが心が集中せず、「もし不当逮捕されたらどうしよう。パウロみたく獄中書簡でも書くか」とか変なことばかり浮かびます。悩みに悩んだ挙句、園長先生に緊急電話を入れました。桑園教会は二階が教会で一階が幼稚園だからです。すると明るい声で「あー、牧師先生、その話よーく知ってます。被害に遭った子は卒園児ですし、両親も知っています。大丈夫です。警察が来ても私が先生のアリバイの証人になりますから」と言ってくれました。今まで暗黒だった心が、ぱあ〜と一瞬でゴールデンに輝きました。それからは「いつでもかかってこいやぁー」って待っていたのですが、結局来られませんでした。
これにて一件落着かはわかりませんが、とりあえず守られたことは確かです。その時に浮かんだ聖句が「愚か者の心は定まらない」です。どんなに聖書を読んでいても、信仰をもっていて、後ろめたい思いがなかったとしても、少しのことでも人は簡単に不安になると知りました。それでも一人味方になってくれる人さえいれば、どんな状況も大きく変わりえることも感じました。
わたしたちキリスト者には、主イエス・キリストという最大の味方がおられます。今、心定まらない不安な時を多くの方々が過ごしていますが、主イエスがいつも共にいることを忘れずに過ごしてゆきましょう。

 

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