ホレンコの友 2023年5月号

          「キリストは、ほんとうによみがえられた ハレルヤ」

                 日本聖公会北海道教区 聖マーガレット教会執事 三浦千晴

 

 新緑の頃となりました。それぞれの場所でイースターを迎えられたことと思います。主イエス・キリストのご復活、おめでとうございます。
聖公会においては、復活日前の日曜日から始まる一週間を「聖週」と呼び、この間毎日礼拝が守られ、福音書の受難物語に従って、主イエスの十字架への道を私たちも共に歩んでいけるように努めます。ことに聖週の最後の三日間、聖木曜日、聖金曜日、聖土曜日にはそれぞれ異なった記念の礼拝が捧げられ、御子の受難の出来事は、私たちのためであったことに思いを巡らします。聖木曜日には、主イエスが聖餐を制定され、また弟子たちの足を洗って、互いに仕えあい、愛し合うことを教えられたことを憶えるため、聖餐をいただいた後、洗足式を行うことが常です。そしてその後、翌日の聖金曜日・受苦日に備え、礼拝堂にある一切の装飾物を全て外し、撤去します。今年もそのように行いました。
空っぽになった礼拝堂を見つめながら、私はふと「イエス様が復活されたことは、うそじゃない。イエス様はほんとうに甦られたのだ。」という思いを強く持つことができました。失って初めてわかる「ほんとう」があるのだと思います。主イエス・キリストの「ほんとう」とは、そのようなものなのではないでしょうか。教会とは、その「ほんとう」が満ちているところであるはずです。
今年の一月末のまだ雪深い日曜日に、一通の封筒が教会のポストに入っていました。
その中には、献金が収められていて、表には以下の文面が記されていました。
「1965年頃お世話になっていたKです。今日まで何かと心の支えにして参りました。キャロリングもよい思い出です。わずかですが献金させて頂けましたら有難いです。教会が立派になってよかったと感謝しております。雰囲気が変わらず、なつかしさで胸があつくなりました。横浜在住」
この文面を読んで、私も胸があつくなりました。60年近くの歳月を経て、再び教会に帰り、かつてそこで過ごした日々、また出来事を思い起こすことにより、胸をあつくされたKさん。それはイエス様に出会ったことを、エマオへの途上で思い起こすことのできた弟子たちのようです。教会がそこにあり続けることの大切さを確信した出来事です。

 

これまでの巻頭言

2023年巻頭言
2022年巻頭言
2021年巻頭言
2020年巻頭言
2019年巻頭言
2018年巻頭言
2017年巻頭言
2016年巻頭言
2015年巻頭言
2014年巻頭言
2013年巻頭言
2012年巻頭言