ホレンコの友 2021年1号

               「十字架の言葉」
                        日本基督教団中標津伝道所牧師 石垣弘毅

ホレンコをお聴きの皆様、新年明けましておめでとうございます。と言っても、今、私がペンを取っているのは2020年12月1日、アドベント1週目を迎えた日の朝です。この年を振り返るとコロナ問題で明け暮れた一年でした。そして今もその渦中にあります。一体、これからどうなっていくのでしょうか。不安です。
アドベントは真の光、救い主、神の御子イエス・キリストが私たちの暗闇の世界に来てくださる喜びを待ち望む希望の時です。それはワクワクする楽しい時であって欲しいと思います。しかし、そうはならない現実があります。こうやってペンを取っている今も、ニュースが飛び込んできました。私の住む道東の小さな町、中標津町で昨夜、火事があり、6歳と4歳の男の子が亡くなったという知らせです。今、ご両親はどんなにか深い悲しみと絶望の中にいることでしょうか。本当に救い主は来てくださるのでしょうか。私たちが宣教する喜びの福音はどこにあるのでしょうか。
この世の理不尽な現実の中で嘆きと問いを神様の前に差し出しながら、福音宣教者パウロの言葉を聴きたいと思います。
 「十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。」(コリントの信徒への手紙一 1章18節)
 世を救うために来て下さった神の子イエス様が神の助けを一つも得ることなく無残な十字架の死を遂げられたという事実、ここに「十字架の言葉」があります。人々から理解されず排除され、呪いを受けながら長寿を全うすることもなく人生を終える、そんなイエス様のご生涯は幸いであるなどと、私たちには思えないかもしれません。
しかしパウロは、このイエス様のご生涯こそが神の福音であり、私たちの生きる力、喜びと希望の源泉、神の力であると言うのです。それは主イエスの十字架の出来事は死で終わるものではなく、新しい命、復活の命をもたらし、死と罪を滅ぼす神の救いの出来事へと導く土台の石であるからです。
 コロナの問題を始め、私たちに聞こえてくる悲しい出来事の数々、それはまさに十字架の言葉ではないでしょうか。この十字架の言葉は死と呪いで終わるものではないはずです。神様が用意してくださっている新しい創造、いのち、救いの出来事に信頼しつつ、祈りのうちに希望をもって新しい年を歩み出しましょう。

 

 

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