ホレンコの友 2020年9月号

  「その後わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。
あなたたちの息子や娘は預言し、老人は夢を見、若者は幻を見る。」 (ヨエル書3章1節)
  
                   日本福音ルーテル札幌教会牧師 日笠山吉之

 新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、私が牧する教会でもイースター以降ペンテコステまでの約2ヶ月間、公開の礼拝を中止しました。上記の『ヨエル書』の御言葉は、3年に1度はペンテコステの日に朗読されることになっている箇所です。今年は、公開の礼拝がペンテコステまで出来なかったため、ZOOMに繋ぐことができる教会員はオンライン礼拝で、そうでない方はあらかじめ郵送された週報と説教原稿によって自宅礼拝を守っていただきました。牧師としてはなんとももどかしい思いでしたが、それぞれ礼拝に与る場所は異なっても、聖霊はきっと一人一人の上に注がれたと信じています。
 教会とは、実に不思議なところです。生まれたばかりの幼子からお年寄りまで、老若男女さまざまな年齢構成の方々がおられます。しばしば教会の高齢化が指摘されますが、お年を召した方がたくさんおられてもいいではありませんか。聖書によれば、彼らはみな「夢」を見ることが出来る方たちなのですから。信仰の先輩たちが頭を垂れて御言葉に聞き入っておられる姿を見ていると、私はいつも襟を正される思いになります。一方、教会には渡り廊下で繋がった幼稚園もありますので、日曜日になると教会学校に園児や卒園生たちがやって来ます。彼らのキラキラ輝く瞳を見ていると、みな「幻」を見ているに違いないと思わされます。子どもたちは、神様からいったいどんな素敵なヴィジョンを与えられているのでしょう。このように教会とは、夢や幻を神様から与えられたたくさんの大人や子どもたちが、お互いに何の違和感もなく一緒にいることが出来る場なのです。
 先日いつものように幼稚園に登園してくる子どもたちを出迎えていると、年長さんのRちゃんがとびきりの笑顔で駆け寄って来て、「牧師先生、ちょっと遅れたけど、お誕生日おめでとう」と言ってくれました。誕生礼拝の時に、Rちゃんの誕生日と自分の誕生日が同じであることに気づいたので、そっとお母様にお伝えしたのです。そのことをお母様もRちゃんに伝えてくださったのでしょう。思いがけないバースデープレゼントに、心がほっこりしました。その日、Rちゃんを連れて一緒に登園して来られたお父様からは、「娘とは何歳違いますか?40歳くらいですか?」とかなり若く見積もっていただいたのも、嬉しさを倍増させてくれました。実際はちょうど50年も違うのです。自分でも改めてその事実に驚き、ふと考え込んでしまいました。今でも50年前のあの頃のように、毎日キラキラした幻を見ているだろうか?御言葉が語っているように、これからも大いなる夢を見ながら歳を重ねていくことができるのだろうか?と。「わたしはすべての人にわが霊を注ぐ」。この御言葉を信じつつ、キリストが約束された聖霊を日々豊かに神からいただきたいものです。

 

 

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