ホレンコの友 2018年2月号
「勇気と希望をもたらす言葉」
                              ルカによる福音書19章1〜10節
                  日本キリスト教団 旭川六条教会牧師・和寒伝道所代務者 西岡昌一郎

 ザアカイは、いちじく桑の木の上に登って、その下をイエスとその一行が通り過ぎるのを見物していました。ザアカイは背が低かったので、路上では他の見物人にさえぎられてイエスを見ることができなかったからです(3節)。彼は自分の居場所がなくて、木の上に登っていたのです。これはユーモラスな姿に見えますが、本当は悲しい姿です。
 イエスは、そのザアカイを見上げて言いました。「今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい」(5節)。思いがけないイエスの言葉に、ザアカイは喜んでイエスを迎え入れました。「ぜひあなたの家に泊まりたい」という言葉は、ザアカイにとっては、自分が必要とされていることを実感させてくれる言葉でした。
 このように、イエスの言葉には、絶えず福音という喜びのメッセージが含まれています。
 それは、きょう、ここに、あなたがいてくれなければ、お互いに成り立たないのだというメッセージです。この言葉を必要としている人が、この世にはどれだけ多くいることでしょう。
 「それはたった一人からでいい。『あなたはわたしにとって、なくてはならない存在なのだ』と言われたら、もうそれだけで喜んで生きていけるのではないだろうか」。(三浦綾子)
 わたしたちが伝える福音のメッセージは、ここにあります。「あなたは、わたしの愛する子」と神さまは言ってくださいます。「あなたは、なくてはならない存在なのです」と語りかける主の喜ばしい知らせを伝えるのが教会の役割です。
 愛が冷え、心に傷を与える言葉があふれています。教会もまた、いつの間にか、この風潮に流されています。人を励まし勇気づける言葉、希望を見出す言葉が必要なのです。
 自分でほんとうに喜んでもいないことが、人に伝わることなどありません。どんなに「正しく」「間違いがない」信仰であったとしても、自分が喜んでいないものを誰が喜んで受け止めるでしょうか。そんな「正しさ」を伝えようとすると、独り善がりか、ただの押しつけになってしまいます。
 人に勇気と希望をもたらす福音の言葉は、深い祈りの心に基づいています。祈りを失えば、言葉は冷えていくばかりです。ホレンコの働きを通して、この喜びの言葉が伝えられていくように、まずわたしたちが祈りましょう。
   
ホレンコの友 2018年1月号
 「You もあ 一年」          
             
日本キリスト教会 札幌桑園教会牧師 河野行秀

皆さん、新年おめでとうございます。
「今年こそは!」と意気込んでおられることでしょう。わたしも、今年は何をしようかと考えています。しかし、何しろ歳でもあります。もう世界冒険旅行もできないし、ヘブライ語を身につけることもできない。酒、たばこをやめて体重を減らすという努力はしなくてもよさそうですが、身長を1センチ延ばすことはもうできない。高額納税者にはなれそうもないし、メガ・チャーチ建築の夢は消えてきました。つまるところ、今年も平凡な年になりそうです。「主の御心であれば、生きながらえて、あのことやこのことをしよう」(ヤコブ4:15)と、言うことになるのでしょう。
 たとえそうであっても、前に向かって進まなくてはなりません。小さな作品であっても、完成させることは喜びであります。大きなことはできないけれど、小さなことでも積み重ねれば山となります。一年、一年の積み重ねです。あなたも、主のためにもう一年何かやってみませんか。
 課題は日本の伝道です。日本の教会は伝道の力を失いつつあります。信徒は減少し、教勢は低下しています。原因を少子高齢化にするのは言い訳です。牧師も信徒も情熱がなくなっているからではないでしょうか。「キリスト教は、パレスチナで情熱として始まった」と、言った人がいます。復活の信仰は情熱の信仰です。東方教会はイースター礼拝で、司祭が「主はよみがえられた」と宣言すると、会衆が高笑いをするという話を聞いたことがあります。「イースターの高笑い」と言うのだそうです。死が勝利に呑み込まれた笑いです。
 この一年、やるべきことは「キリストの十字架と復活」からくる、希望と愛と忍耐と勇気を、信仰をもって情熱を込め語ることでしょう。そのためにはネクラにならず、ユーモアが必要です。わたしは教会員に「暗い顔をしないでほしい。ビジネス・スマイルでもいいから少し笑ったら」と言われたことがあります。そこで、今年の目標はユーモア研究です。皆さんの中に、だれか吉本興業で宣教学を学ぶ人が現れるといいですね。インドネシアから学びに来た牧師がいるそうですよ。バルトは「神学とは喜びの学問である」と言いました。ボーレンは「説教は遊びのようにうちこめる」と言いました。
今年も、「アーメン。ハレルヤ」と声高らに歌いましょう。雨もやみ、心の闇も晴れるでしょう。
「ちいさな籠に花を入れ、さびしい人にあげたなら、部屋に香り満ち溢れ、くらい胸もはれるでしょう。」(讃美歌U26)
You more 一年!